2017月08月21日

【ad:tech kyotoレポート 03】SNSの再認識〜SNS投稿は、エンゲージメントなのか?リーチなのか?〜

こんにちは、株式会社オロのシニアコンサルタントの森です。

今回でad:tech kyotoのレポートは最終回です。

ディスカッション中の様子

テーマは、「SNS投稿は、エンゲージメントなのか?リーチなのか?」について少し話をしましょう。

エンゲージメントというKPIへの悩み

多くの企業がSNSの運用を始めた頃、タイムラインなどに流れる情報は「SNS上における人物関係が大きく影響する」という特徴を背景に、SNS運用のKPIとしてエンゲージメント(フォロワー数・いいね数・ともだち数など)が設定されていました。

最近、「もう、エンゲージメントを獲得しても情報がリーチする時代ではなくなった」「結局広告でとったエンゲージメントに意味は無いのではないか?」といった、SNS上の人物関係を獲得する意味が少し軽んじられている意見も散見されます。

日本においてはSNS運用が売上やCVへ直接的に繋がりにくい状況もあり、暫定的に継続測定する「プラットフォームの特徴的KPI」として「エンゲージメント」を採用していることが多い一方で、このままのKPIでよいのか?という疑問が解決しきれていないことも多くの担当者が日々感じていると思います。

今回は、

  • 獲得したエンゲージメントの意味合いの変化
  • これからもエンゲージメントは獲得すべきか?

に着目しながら、SNSを活用した情報拡散について考えていきたいと思います。

話しを簡単にするために、Facebookの運用を主眼において以後の内容を構成致します。

エンゲージメントはいつ獲得した、どの年代か?

10年前、私は20代後半いわゆるアラサー世代でした。

10年前に、私がある「いいね!獲得キャンペーン」をやっているFacebookページに、「いいね!」をしていたとします。そのFacebookページは、その当時のキャンペーン期間中で、30万いいね!を獲得したとしましょう。

そして10年の時を経て、現在60万いいね!があるとします。
つまり、現在の60万いいね!の約半数が10年前に「いいね!」した方かも・・・という可能性があるのです。

さて、ココで考えてみてほしいことがあります。

SNS活用は、当初30歳前後を軸にコミュニケーションを構築しようと考えていた場合、積極的に情報伝達できるターゲットを囲い込むために、いいね!獲得を進めていました。
しかし、当時エンゲージメントしたターゲット層は、それから10年を経て、40歳前後になっています。つまり、Facebookページが抱える「いいね!年齢」の半数が10歳年齢を重ねてしまっているのです。
この状態で、投稿を続けていくと、投稿しているサービスのコアターゲットはいつの間にか40歳前後に変化してしまい、当初考えていた30歳前後のコアターゲットを囲い込めていないことになります。

前回レポートでSNS運用のプロセスでお話した通り、「誰に何を伝えるか?」を明確にして投稿内容を決定していくことが重要であり、コアターゲットの条件として年齢層を含むことは非常に多いと思います。

今の「いいね!年齢層」では、想定しているコアターゲット向けにコンテンツを作っても、実際の「いいね!年齢層」とはズレてしまい、SNS上の人間関係を上手く活用しきれない可能性がでてきます。

今回は、このSNSで囲ったユーザーの「エンゲージメント年齢層」と、マーケティング上のターゲット年齢層の違いを把握する重要性を、改めてみなさんにお伝えしたいと思います。

コアターゲットを確実に確保しつづける

SNSプラットフォームを活用した情報拡散方法は多数あります。
特に、広告は進歩がめざましく、例えばFacebook広告やTwitter広告などエンゲージメントを活用した広告メニューは、拡散力が高くリーチ数を確保しやすいメニューとして利用されています。

しかし、先程の事例のように、「エンゲージメント年齢層」を考えずに、SNS広告を活用した場合、コアターゲット以外にも広告が配信されてしまい、無駄広告を配信している可能性があります。しかし、「エンゲージメント年齢層」をもっと考慮した広告を実践すれば、コアターゲットに注力したSNS広告運用が実践出来るはずです。
自らが抱えている「エンゲージメント年齢層」という新たなKPIを持って、効果的な広告運用を続けていくことを、もう一度見つめなしてみてください。

一方で、「エンゲージメント年齢層」が年々歳を重ねていくことで、企業側が狙うターゲットと実際のファン層とにズレが生じていくため、常にコアターゲットを確保する継続的なSNS広告施策が必要です。

その対策としての「コンテンツのリーチ確保を狙う広告施策」は非常に大切です。

今回のレポートで大切な点は、以下の2点です。

  1. エンゲージメント年齢層を把握して、コアターゲットへの情報が着実に届く環境が維持できているか、自社のSNSをチェックする。
  2. 必要に応じて、コアターゲットに広告を用いてコンテンツをリーチさせる。

既存のSNSのKPI指標と合わせて、今一度、見直してみてください。

誰に伝えていきたいか?を考えたコンテンツがやはり重要

先に述べた「エンゲージメント年齢層」は、今の時代におけるKPIの質を決める要素の一つです。

ただKPIにとらわれるのではなく、あくまでも活用の5つのプロセスを理解した上で、KPIの指標選定や質にこだわることが重要です。

<SNS活用の5つのプロセス>

  1. 誰に、何を伝えたいのかを明確にしたコンテンツを作る。
  2. コンテンツを伝えるためのSNSの組み合わせを決める。
  3. そのコンテンツを運用するSNSに合わせてアレンジする。
  4. エンゲージメントを使ってアレンジしたコンテンツにリーチさせる。
  5. 広告を使ってコンテンツにリーチさせる。

だからこそ、前回のレポートでもお話した、

☆いま変えるべきプロセス☆
インスタ映えするコンテンツは、Twitterではどう投稿するのか?Facebookではどう投稿するのか?を考える。

☆今あるべきプロセス☆
コンテンツを企画し、それをTwitter利用者に向けどうアレンジするか?Instagram利用者向けにどうアレンジするか?を考える。

が重要です。

今こそ、プロセスの見直しをすることをおすすめします。

あとがき

今回で、ad:tech kyotoのレポートは最終回ですが、
これまでの3つのレポートは楽しんでいただけましたか?

時代とともに、SNSを活用したコミュニケーションは「プラットフォームの変化」と「利用者の適応度とリテラシーの多様化」により、画一性のあるコミュニケーション活動が非常に難しくなっています。

これまでのやり方にとらわれず、時代にあった運用プロセスの見直しをしていくことが、今後ますます重要になってきます。

▼前回までのレポ―ト
【ad:tech kyotoレポート 01】SNSの再認識〜『SNS疲れ』が与える企業への影響とは?〜
【ad:tech kyotoレポート 02】SNSの再認識〜SNSは、コンテンツなのか?チャネルなのか?〜

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